材料科学総合学科
パンフレット
材料科学総合学科パンフレット
材料の安全性・信頼性を高める非破壊計測のための新しい超音波センサ
未来を変える新技術としてAIやIoTが大きな注目を集めていますが、これらは膨大なデータ(ビッグデータ)をベースにしていることから、今後益々重要になるのは、「質の高い計測データ収集のための革新的な計測技術の開発」です。写真は、本学科で独自に開発された、世界最高性能を有する「超音波センサー」であり、これにより様々な材料の非破壊計測(ものを壊さずに内部を計測)が高い精度と信頼性で可能となってきています。この最新計測技術とAI・IoTとの融合により、従来よりも一段レベルの高い次世代の安心・安全な社会への貢献が高く期待されています。
人工関節やステントの原料となるチタン合金をプラズマアーク溶解炉で溶解したインゴット
超高齢社会に突入した我が国のみならず世界的な高齢者人口増加を受けて、医療用デバイスの需要は益々増加することが確実視されております。生体埋入デバイスの約8割は金属製であり、その中でもチタンが多く使われております。チタンは優れた耐食性に加え、金属の中で唯一、骨と顕微鏡レベルで接触する”オッセオインテグレーション”を有しているからです。写真は、人工関節やステントの原料となるチタン合金を我々の学科所有のプラズマアーク溶解炉で溶解したインゴットです。チタンは様々な元素と組み合わせて合金を作ることができますが、その量も含めた組み合わせは無限にあります。様々な組み合わせの中から、チタンのポテンシャルを最大限に引き出せる新合金の創製、セラミックスや高分子との複合化、いかに安価に作製できるかといった新規製造プロセスの開発、といった研究を通して、安心・安全な社会の構築に貢献しております。
パルスレーザー堆積装置のプルーム(プラズマ化されたセラミックス材料)
エネルギー環境問題の対策として、蓄電池などのエネルギー変換デバイスや太陽光発電デバイスの高性能化、色変化で明るさを調整できるスマートウィンドウによる省エネ化が注目されています。これらの実現には材料の薄膜化技術が重要です。写真は、パルスレーザー堆積(PLD)法による薄膜作製(プラズマ化されたセラミックス材料の蒸着)の様子を示しています。本学科では、PLD法によりナノオーダーで制御された機能性セラミックス薄膜を作製することで、全固体リチウムイオン2次電池の高性能化や透明高屈折率セラミックス薄膜の低温作製に成功しています。
超高圧・高温環境下で材料合成や性能評価を行う超高圧合成装置の圧力印加部分
本学科では、地球上では実現が難しい極限環境を人工的に作り出し、新材料の探索や極限環境下での性能評価を行っています。写真の超高圧合成装置を用いることで6万気圧、1000℃の環境を人工的に作り出すことができ、これまでに発見されていなかった材料の合成や超高圧・高温環境下での性能評価に成功しています。